Yield Curve Control
中央銀行が長期金利を操作する方法
2023年10月まで日銀が実施していた
イールドカーブ・コントロール(YCC)の見直しはなぜ必要か | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)
YCCには、大量の国債買い入れを強いられること以外にも、致命的な欠陥がある。
例えば、米国で景気が堅調でインフレ率が上振れる中、米国の長期利回りが上昇するケースを考えてみよう。その際には、米国経済の堅調さやインフレ率上昇の影響が日本経済に及び、日本でもインフレ率が上振れる。それに加えて、日米の利回り格差拡大で円安が進み、それも日本の物価上昇率を高める。
インフレ圧
米国製品の価格が上がるので日本でコストプッシュ
FRBが利上げするので円安が進行して輸入製品が上がる
本来であれば、これは、日本銀行は金融引き締め策の実施を求められる局面だ。ところが、米国の長期利回りの上昇によって、日本の10年国債金利が目標値を上回るリスクが高まれば、日本銀行は利回りの上昇を食い止めるために、国債の買い入れを拡大させなくてはならなくなる。これは、金融引き締めとは逆の金融緩和の強化である。
アービトラージで日本国債が売られて米国債が買われるので、日本国債の利回りがあがる
その緩和強化の影響で日本のインフレ率はさらに上昇するとの観測が国債市場に広がると、長期利回りがさらに上昇してしまう。そして日本銀行は国債の買い入れの一段の拡大を求められるのである。つまり、悪循環が生じることになる。
逆に米国で成長が鈍化し、インフレ率が下振れする局面では、日本銀行は金融引き締めを求められる。
このように、本来必要な金融政策とは全く逆の政策を強いられるというのが、YCCが抱える致命的な構造問題である。
https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/seisaku/b41.htm
かつて、日銀は短期金利は操作できるが長期金利の操作はできないといわれていた
YCCならできることがわかった
長短金利操作付き量的・質的金融緩和 | 2%の「物価安定の目標」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」 : 日本銀行 Bank of Japan
長短金利操作の円滑な実施
その手段としては、2016年1月のマイナス金利導入(引用者注:マイナス金利付き量的・質的金融緩和(2016年1月))以降の経験により、日本銀行当座預金へのマイナス金利適用と長期国債の買入れの組み合わせが有効であることが明らかになりました。
日銀の長期国債買い入れ
国債を買う→国債価格が上がる→国債利回りが下がる
マイナス金利適用→銀行は金を放出したいので貸し出す金利をさげる→短期金利が下がる
ってこと?
これに加えて、指し値オペや連続指値オペといった手段
10年国債の利回りを制御する
https://gyazo.com/86390226d2c75ffc40bf743d6bcb26e9
左:制御あり
イールド・カーブ全体が上がったが、10年債は当時±0.5%の範囲にコントロールされていて上がっていない
2023/7/28 植田和男「運用の柔軟化」
https://www.youtube.com/watch?v=uHqn5lWgGmI